お知らせ

当院でも矯正歯科の相談時などで「医療費控除」の説明書きをお渡ししていますがこちらではもう少し詳しくご説明したいと思います。なお、ここでは確定申告の義務がなく、勤務先で年末調整済みの給与所得者(サラリーマンやパート、アルバイト)を対象に説明します

医療費控除とは?

医療費控除とは病気や怪我のために病院へ入院や通院した際、主に治療にかかった費用等を申告したら税金の一部が戻ってきますという制度です。

申告期限は確定申告の期限にあたりますので例年通りですと2月中旬~3月中旬までになります。申告の対象期間は前年の1月1日~12月31日までになります。
*申告自体は過去5年にさかのぼって申告できます。

医療費控除の申請に必要な物

申請に必要な書類は以下の通りです。

・勤務先で配られた源泉徴収票
・医療費に関わる領収書・レシート
・交通費の領収書(ない場合は詳細な記録等)
・医療費の明細書
・確定申告書A様式(一般的なサラリーマンが使う用紙)
*28年度からマイナンバーが必要になります

源泉徴収票

サラリーマン・パートの方は年末から年始にかけて勤務先から受け取るかと思います。申告対象期間内に勤務先が変わった場合も勤務先ごとの源泉徴収票が必要になります。大切に保管しておいてください。

医療費に関わる領収書・レシート

領収書・レシートの対象者は申告者本人だけではなく「生計を共にする」家族も含めます。これは別居中でも構わないので、単身赴任のご主人や、遠く離れた寮住まいの子供も対象になります。領収書・レシートは後述の「医療費の明細書」に転記しますので、医療を受けた人ごとや、病院・薬局ごとにまとめておいた方が後あと楽になります。*当院もそうですが領収書の再発行は認められないケースが多いので大切に保管して下さい。

交通費の領収書

タクシーなどは領収書が出ますが、公共交通機関などで領収書がもらえなかった場合などは詳細なメモ書きでも構いません。(移動場所・金額等明記)なお、ガソリン代は対象外です

医療費の明細書

申告する予定の領収書・レシートを図のようにこちらに書き込みます。
「医療費の明細書」と後述の「確定申告書A様式」は入手方法は税務署へ行くか、取り寄せる、国税局HPからダウンロードしてください。

確定申告書A様式

「源泉徴収票」、「医療費の明細書」などの金額を記入していきます。ちょっとした計算等もありますので頑張ってください。ちなみに、前述の「医療費の明細書」、「確定申告書A様式」は国税局HPで「確定申告書等作成コーナー」と言うのを設けてあります。こちらは指示通りに入力していくと申告書が作成できます。合わせてご活用ください。

マイナンバーの記入・提出

28年度からマイナンバーの記入・提出が求められます。「確定申告書A様式」に個人番号(マイナンバー)を記入し、提出時に窓口で提示もしくは、添付書類台紙(確定申告書A様式に同封)に写しを添付になります。
マイナンバーカード作成済みの方はカードの提示もしくは両面の写しの添付になります。
お済でない方は通知カードと身元確認書類(運転免許証やパスポートなど)の2種類が必要になりますのでご注意ください。

その他必要な物

その他にハンコと還付金振込用の銀行口座も必要になりますのでご用意ください。

いくら位もどってくるの?

その年に支払った医療費の合計や所得にって違いがあるので一概には言えません。

還付金は一年間に支払った医療費から、医療保険などの保険金と10万円(総所得が200万円以下の場合、所得の5%)を差し引いた金額が、医療費控除の対象になります。この金額から、申告者が支払っている税金(所得税)の税率を掛けた金額が還付されます。

医療費控除の計算式は以下の通りです。

1年間の医療費支出 - 保険金等で補填される金額 - 10万円(もしくは5%) = 医療費控除額

この医療費控除額に所得税率を掛けたものが、還付金の額になります。

医療費控除額 × 所得税率 = 還付金

所得税率は以下の通りです。

課税所得金額 ~195万 ~330万 ~695万 ~900万 ~1800万 ~4000万 4000万超
税率 5% 10% 20% 23% 33% 40% 45%

*課税所得金額は年収ではありません。年収から、定められた給与所得控除や扶養控除、基礎控除、社会保険料控除などを引いた額です。お間違え無いようご注意下さい。
右記の源泉徴収票の②510万から③222万を引いた金額288万が課税所得金額に当たります。なのでこの例の場合は税率10%で計算します。

外部リンクですが医療費控除金額簡易シュミレーターを載せておきます。あくまで簡易なのでご参考までにどうぞ。

医療費控除シミュレーター 参照元:クリア歯科®

医療費控除申請のポイント

還付金を計算する際「所得税率」が出てきますが、これは所得に対して、いくら税金を納めるかの割合です。所得が多い人ほど、税率は高くなります。

したがって家族分をまとめて申請する際は所得が多い人が申請すると還付金が高くなります。夫婦共働きでもまとめて申請できるのでより所得が多い方が申請した方がお得です。

歯科治療における医療費控除

控除の対象となる治療及び経費など
・インプラント治療
・自由診療による治療費及び技工物費用
・虫歯や歯周病の治療、その他抜歯等、保険診療による治療費
・入れ歯の費用
・子供の歯並び、成人の噛み合わせ改善治療の為の矯正
・通院のための交通費
・市販の歯痛止めなどの医薬品

控除の対象外になる治療及び経費などは以下になります。
・ホワイトニング治療
・美容・見た目の改善を目的とした歯科矯正
・自家用車で通院した際のガソリン代

国税局の見解も合わせてご覧ください。 ▼医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例

 

以上、歯科における医療費控除のご説明を致しました。医療費がかさんでしまったご家庭にはぜひとも利用して頂きたい制度であります。今回は確定申告義務のない、年末調整済の方を対象にお話ししたので、自営業の方など申し訳ありませんが最寄りの税務署までお問い合わせください。冒頭で申請期間は確定申告期間中と言いましたが、実際は1年中受け付けている(確定申告義務のないサラリーマンのみ)みたいですよ。ただ確定申告時期の方が税務署も特別窓口を作っているので対応しやすいと思いますが。過去5年までさかのぼって申請できるので詳しいことは税務署までお問い合わせください。